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2011年1月7日金曜日

プロダクションシステム

一般的に、ルールベースのシステム(プロダクションシステム)は、次のような構成要素からなっています。
   1. ルール
   2. ワーキングメモリ
   3. 推論エンジン
プロダクションシステムの構造



ルールベースの実行は、ワーキングメモリに記述されたデータに対して、そのデータとマッチする「もし~であったら」部分を持ったルールを推論エンジンが探 し出し、マッチしたルールに書かれている「~をする」部分の記述にしたがって、ワーキングメモリに新たにデータを書き込むなり、消去するなり、メッセージ を表示するなりして実行されます。これだけですと、一つのルールが実行されるだけですが、推論エンジンは、再び新たな(状態が多少変わったかもしれない) ワーキングメモリのデータに対して、マッチするルールを探してルールを実行していきます。こうしてマッチするルールがなくなった時点でプログラムの実行が 終了します。
(正確に言うと、これは「前向き推論」の場合の推論エンジンの説明)
この実行方法について、ワーキングメモリに書かれたデータとルールとのマッチングから、ルールの実行までのサイクルのことを認知実行サイクルといいます。 
認知-実行サイクル
上にすでに書いたように、ルールベースの実行の方法- 認知実行サイクル-では、まず、 ワーキングメモリに書かれた情報と、ルールの if 部分(条件部)と照合がなされます。 ここでマッチしたワーキングメモリとルールとの組が、実行の候補となって候補リスト(「アジェンダ」と呼ぶ)にあがってきます。次に、その候補の中から、ある決まった「戦略」にし たがって選択され(競合解消)、実行されます。このサイクルの繰り返しで次々にプログラムの実行が進んで行き、ワーキングメモリの内容とルールの if 部分とでマッチするものがなくなったときにプログラムの実行が終了することとなります。
(「戦略」については、別途項をあらためて説明します) 







営業現場の「見える化」を実現

iPadの可能性は、シニア端末としての活用だけではない。営業現場を一変させるだろう。営業担当者はプレゼンテーションソフトを使ったセールス活動から、営業を受ける側にとってはこれまでのつい眠くなってしまうプレゼンテーションから、解放されるかもしれない。解放されるかもしれない。営業資料そのものの作り込みを変えていく必要がある。
ほんの数カ月先の営業現場では、次のようなシーンが垣間見れるようになることだろう。営業担当者は、テーブルの上にiPad端末を置く。まず、iPadという新たなガジェットを使わせてあげるということで、最初のアイスブレークは間違いなく成功する。続いて、「ではここを触れてみてください」と声をかけて、自社製品を宣伝する営業資料アプリを立ち上がらせる。「気になるところは、どんどん触れてみてください」。顧客はついつい気になるところに触れてしまう。直感的に。そうすると、触れた部分に関する宣伝文句をiPadが話し出す。
営業というものが、営業マンが自社製品の良さをアピールするプレゼンテーションから、顧客のほうから気になるところをどんどんと触れ、勝手に内容を理解していく。そういうスタイルへと変わる。そんな場面に出くわすこともありえないことではない。
ひとしきり「さわり」終えたところで、画面に4つのボタンが現れる。「今すぐに購入を決める」、「社内で前向きに検討する」、「今はこちらの商品を購入するタイミングではない」、そして「こちらの商品は残念ながらお客様のニーズには答えていない」。
この画面が出たところで、営業担当者は「いかがでしょうか?」とまた声をかけるのである。
さて、ここまで来たところで、読者の皆さんはお気づきだろう。こうした営業が繰り返されてくると、次の情報が蓄積されるようになる。しかも自動的に。この商品の営業資料アプリのどこを顧客が触れたのか。どの順番で触れたのか。どの説明を長く聞いたのか。または聞いていないのか。そうした顧客の関心事項と、それに触発された「指の行動」というログデータが蓄積されることとなる。最後の購入意向とともに――。
今、様々なSFA(Sales Force Automation:営業支援システム)が存在する。営業担当者の営業力というものを底上げするために用いられている場合が多い。ところが、営業現場で何が起こっているのかを、データとして吸い上げるのは難しい。しかし、iPadを活用して上記のような営業資料アプリを作成することで、顧客の現場での「生の反応」というものを蓄積できる可能性を持っているのである。今まで見えていなかったデータの「見える化」が可能となる。新たなビジネスチャンスがここにある。
ただし、1点気をつける必要がある。カフェテリアなどの外で営業活動を行う場合である。太陽の下で、テーブルに置かれたiPad。光の反射具合で、少し見えにくい場合もあるだろう。iPadを15度ほど傾けて置くスタンドを営業担当者は持ち歩かねばならないだろう。

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