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2010年12月30日木曜日

カーアイランド、シリコンアイランド


http://www.kyuden.co.jp/firm-location_area_accumulation_carisland.html





生産拠点から開発拠点へと飛躍するカーアイランド九州

マザー工場の役割を担う九州

 北部九州には、豊富な理工系人材の存在、中国や東南アジアに近い地理的なメリットなどからトヨタ自動車九州(福岡県宮若市)、日産自動車九州工場(福岡県苅田町)、ダイハツ九州(大分県中津市)の工場が立地しており、2006年の年間生産台数は101万台と初めて100万台を超えました。2008年は世界的な景気後退による自動車の減産で前年を下回る見込みですが、2009年春には日産車体九州(福岡県苅田町)が自動車生産を開始する予定であること、景気が底入れすれば自動車生産も上向くことから、福岡県が掲げる北部九州の年間150万台生産の目標達成も視野に入っています。
 また、2008年8月にはダイハツ九州久留米工場でエンジン生産、トヨタ自動車九州小倉工場ではハイブリッド車の部品生産が始まっています。
 九州の新工場は最新鋭の生産設備を有しており、国内外の工場への技術指導や人材育成など、アジアのマザー工場としての役割を担っています。
九州の完成車組立工場・その他関連工場・研究所立地状況
九州の完成車組立工場・その他関連工場・研究所立地状況のイメージ
出所:九州地域産業活性化センター 「インテリジェント・カーアイランド九州構想」(当社にて一部内容変更)
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国内唯一の二輪車生産拠点・ホンダ熊本製作所

 本田技研工業は、2010年末までに二輪車生産をホンダ熊本製作所に全て移管させる予定です。同製作所は海外工場に二輪車の技術者を派遣するマザー工場として、世界の技術発信拠点となります。
 また、同社は電動二輪車の生産技術を確立しており、2010年度に販売予定の電動二輪車を熊本製作所で生産することにしています。
 同社の二輪車の生産拠点化に伴い、部品メーカーの九州進出や工場の増強も進んでおり、二輪車の生産拠点としての九州の重要性は、今後さらに高まるものと期待されます。
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九州に集う自動車部品メーカー

 九州には、自動車工場にヘッドランプ、マフラー、シートベルト等の部品を供給するサプライヤーが全国各地から進出しており、自動車部品メーカーの九州進出は、2007年には49件と過去最高となりました。
 また、九州の自動車工場では他地域からの部品の輸送費を抑えるため、系列を超えた取引が行われており、自動車部品メーカーのビジネスチャンスが広がっています。
九州地域への自動車関連部品企業進出件数推移
九州地域への自動車関連部品企業進出件数推移のイメージ
注)進出・参入年次が判明している企業を対象とした。

出所:九州地域産業活性化センター 「インテリジェント・カーアイランド九州構想」
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自動車メーカー主導による現地調達率向上

 トヨタ自動車九州などの自動車メーカーは、部品調達のリードタイムの短縮、輸送コストの削減等のため、模擬製造ラインで社員や地場企業に専門教育を行い自動車部品の生産技術を伝授するなど、地場企業の参入に積極的に取り組んでおり、地場企業と一体となって自動車部品の現地調達率の向上を図っています。
最近の企業・団体の人材育成の取り組み(2008年3月現在)
企業・団体時期取り組み内容
リングフロム九州2000年11月アイシン九州が中心となって結成された共同受注組織で、営業力などで劣る地場の中小企業の競争力強化や技術研鑚などを行う生産連携組織。会員数は約40社。
トヨタ自動車九州2005年3月社内に「トレーニングセンター匠の心・技・体」開設し、模擬製造ラインなどを設けて、新入社員の基礎訓練から高技能取得のための専門教育を行うほか、地場企業の育成拠点にも活用
日産自動車2007年4月日産自動車九州工場内に設けられた技能伝承を集中的に訓練を行う「日産九州スキルセンター」を開設。高度技能士など資格取得の支援や外国人及び女性労働者などの支援も積極的に行っている。
トヨタ九州
モノづくり研究会
2007年7月トヨタ自動車九州が中心となって組織した研究会。自動車関連事業の拡大や新規参入を目指す地場企業への「トヨタ生産方式」を伝授して地域的な拠点を目指す。中心はトヨタ九州他一次部品メーカー九社。
トヨタプロダクション
エンジニアリング
2008年3月
(予定)
トヨタの生産ライン設計を手がける同社が、同社技術センター内に人材育成施設「ものづくり人財育成センター」を建設。社内向けの全般的教育と地域に開放した地元メーカー及び工学系学生向けの教育も実施する予定。
出所:九州地域産業活性化センター 「インテリジェント・カーアイランド九州構想」
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頭脳拠点化が進む九州の自動車産業

 九州では、理工系で電子関係に強い優秀な人材が豊富であること、最新設備を備えた生産拠点が存在することなどから、設計・開発関連の企業立地が進んでいます。すでにデンソーテクノやトヨタテクニカルディベロップメント、アイシンコムクルーズなど、設計・開発関連の企業が進出しています。
 また、ダイハツ九州は2010年に九州大学伊都キャンパス周辺に車体設計・開発拠点の新設、トヨタ自動車九州が2010年代前半に宮田工場敷地内に車体開発拠点の新設を予定しており、九州は頭脳拠点化がさらに進むことになります。
九州の自動車・車載ソフトの設計・開発関連企業一覧(2008年8月現在)
社名進出時期進出場所内容
トヨタ自動車九州2010年代前半宮田工場敷地内車体開発拠点の新設
ダイハツ九州2010年4月以降九大伊都キャンパス近隣車体設計・開発拠点の新設
トヨタテクニカルディベロップメント2008年8月福岡市博多区車載用組込みソフトの開発
アイシン・コムクルーズ2007年
3月、7月
福岡市博多区、
北九州学研都市
車体周りソフト開発
デンソーテクノ2007年9月福岡市博多区車載用電子部品開発
エヌシーエス
(日産車体子会社)
2008年4月福岡市博多区生産管理ソフト開発
出所:新聞記事等より当社作成
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自動車産業と結びつきを強める九州の素材型産業

 九州の自動車産業は、エレクトロニクス化の進展により半導体産業と融合するだけでなく、素材型産業との結びつきも強まっています。
 九州を代表する鉄鋼、非鉄金属、化学などの素材型産業は、蓄積した高い技術力を活かし、自動車や半導体向けの高付加価値材を開発・生産しています。例えば、鉄鋼では従来のものより軽く耐久性もある高強度鋼板を、非鉄金属では、耐熱性や耐蝕性、高い硬度をもつファインセラミックスなどの高付加価値素材を生産、供給しています。
 これらの高付加価値製品を提供する九州の素材型産業は、供給先である自動車工場の近くに立地していることから、リードタイムや輸送コストの面で有利となり、九州の自動車産業の競争力強化に大きく貢献しています。
九州の主要用途別鉄鋼受注量の推移
九州の主要用途別鉄鋼受注量のイメージ
出所:九州地域産業活性化センター 「素材産業の新事業創造と次世代産業クラスター形成可能性調査報告書」
九州の自動車工場と素材型産業の集積状況
主な自動車部品メーカーの工場立地状況のイメージ
注1)2009年後半に操業開始予定
出所:各社ホームページをもとに当社作成


http://www.kyuden.co.jp/firm-location_area_accumulation_siliconisland.html


新たな産業の芽を生むシリコンアイランド九州


半導体関連産業が集積する九州

 九州では、良質な水と労働力に恵まれていること、各県に空港があり空輸が容易であることなどから、1960年代後半よりNECセミコンダクターズ九州・山口、ルネサステクノロジ、東芝セミコンダクター社、ソニーセミコンダクタ九州、京セラ、ローム、SUMCO(いずれも現在の社名で表示)など、日本を代表する大手半導体メーカーの工場が進出し、製造装置メーカー、部材メーカーも含め関連する企業約700社以上が集積しています。
半導体関連産業の出荷額
半導体関連産業の出荷額のグラフ
出所:経済産業省 「工業統計表(2006年)」
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高付加価値製品へシフトする九州の大手メーカー

 既存工場の増強のみならず、設計部門の進出や、液晶パネル、デジカメ、プリンターなどの工場立地も進み、九州の半導体・電子部品産業は厚みを増しています。そのような中、九州内の大手メーカーは、高付加価値製品へ生産をシフトすることで、競争力を強化しています。
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カーエレクトロニクスへ対応する九州の半導体企業

 自動車のエレクトロニクス化の進展により、車載用半導体の需要が増加しています。車載用半導体には高い品質と信頼性が求められるため、九州では、大手半導体企業や高度な技術を持つ企業が参入しています。例えば、NECセミコンダクターズ九州・山口(マイコン)と東芝セミコンダクター社(パワーデバイス、アナログデバイス、LED)では、車載用半導体の比率が生産額の過半数に達する勢いとなっており、今後も車載用半導体の生産比率の伸びが期待されます。
カーエレクトロニクス産業に取り組んでいる半導体関連企業
工程・業種事業所名所在地製品分類
車載LSI
(前工程)
九州日本電気熊本市マイコン(パワートレイン系)、モーター電源制御用パワーIC、車内通信向けLSI(CAN&LIN)、ドライブアシスト動画像認識用システムLSIエンジン・パワートレイン制御、車外/車内通信、シャシ・走行制御
ルネサステクノロジ熊本工場合志市エンジンコントロール向けマイコン、ABSコントロールLSI、エアバックコントロールLSIエンジン・パワートレイン制御、ブレーキ制御、安全性/快適性
三菱電機パワーデバイス製作所熊本工場合志市HV車向け省エネ型パワーデバイスエンジン・パワートレイン制御
東芝セミコンダクター社北九州工場北九州市走行制御アナログIC、タイヤ圧検出IC、ブレーキ制御アナログIC、ABS 制御アナログIC、エアバック制御アナログIC、車載エアコン向けアナログLSI、インパネ用高輝度LED、テールランプ向けLEDシャシ・走行制御、ブレーキ制御、安全性/快適性、視界/ライト制御
宮崎沖電気宮崎県
清武町
CANコントローラー、インパネ用カーナビ用ディスプレイドライバIC、TFTドライバIC/音声合成IC、VFDドライバIC/有機ELドライバIC、三軸加速度センサー車外/車内通信、AVシステム、シャシ・走行制御
豊田合成 オプトE事業部九州事業所佐賀県
武雄市
インパネ向け高輝度LED、ハイマウントストップランプ・テールランプ向けLED視界/ライト制御
旭化成マイクロシステム延岡市車載AV向けLSI、カーナビ向けLSIAVシステム
ローム・アポロデバイス筑後市モーター制御用LSIシャシ・走行制御
車載LSI
(後工程)
NECセミコンパッケージソリューションズ熊本工場熊本県
錦町
車載LSIパッケージ・テスト 
NECセミコンパッケージソリューションズ大分工場大分県
中津市
車載LSIパッケージ・テスト 
ルネサス九州セミコンダクタ熊本県
大津町
車載LSIパッケージ・テスト 
富士通インテグレーティッドマイクロテクノロジ薩摩
川内市
車載LSIパッケージ・テスト、
複合パッケージ
 
佐賀エレクトロニックス佐賀製作所神崎郡
吉野ヶ里町
車載LSIパッケージ・テスト 
吉川セミコンダクタ宮崎県
児湯郡
車載LSIパッケージ・テスト、
アッセンブリ
安全性/快適性
仲谷マイクロデバイス新本社工場大分県
臼杵市
車載LSIパッケージ・テスト
(ロジック系FBGA,TQFP等)
 
アルデート福岡市車載LSIテスト(エアバック・ブレーキシステムLSI) 
三菱電機パワーデバイス製作所福岡工場福岡市パワーモジュール製造エンジン・パワートレイン制御
サンエー福岡工場福岡県
二丈町
HV車向けIPM(インテリジェントパワーモジュール)エンジン・パワートレイン制御
ITセミコン福岡チップセンター福岡市パワーモジュールエンジン・パワートレイン制御
車載LSI
設計
NECマイクロシステム熊本県
益城町
車内通信向けLSI(CAN/LIN)、衝突回避システムLSI車外/車内通信、安全性/快適性
日出ハイテック大分県
日出町
エアバック向けLSI、ブレーキシステムLSI安全性/快適性、ブレーキ制御
イーエヌジー北九州市画像認識用COMSイメージセンサー安全性/快適性、走行制御
バイテックシステムエンジニアリング北九州事務所北九州市車載用半導体の研究開発安全性/快適性、走行制御
沖マイクロデザイン宮崎県
清武町
センサーコントローラー安全性/快適性、走行制御
車載ソフトデンソーテクノ福岡市車載用ソフト開発 
キャッツ福岡市車載用組み込みソフト開発 
リンクウェア鹿児島市車載用組み込みソフト開発走行制御

出所:九州地域産業活性化センター 「インテリジェント・カーアイランド九州構想」
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次世代型太陽電池製造工場が立地する九州

 九州では、半導体関連産業の集積を背景として、三菱重工業、昭和シェルソーラーや富士電機システムズ、ホンダソルテックなど、薄膜系太陽電池製造工場の立地が相次いでおり、大幅に生産能力を拡大しています。
薄膜系とは、ガスの化学反応などによりガラス等の基板上に数種類の薄膜を形成して製造する太陽電池のこと
太陽電池製造メーカー4社の投資動向
会社名2007年3月現在将来
三菱重工業株式会社
(長崎県諌早市)
生産能力・約10MW/年・約68MW/年
09年までに約128MW/年
12年までに約250MW/年
累計設備投資額約250億円-約325億円(~09年)
昭和シェルソーラー株式会社
(宮崎県宮崎市)
生産能力-・約20MW/年
09年上半期に新工場増設し約80MW/年
累計設備投資額約50億円-約200億円(~09年)
富士電機システムズ株式会社
(熊本県玉名郡南関町)
生産能力・約12MW/年・約12MW/年
08年度までに既存工場増強(40MW)、
11年度までに2工場増設し約150MW/年
累計設備投資額約70億円-約440億円(~11年度)
株式会社ホンダソルテック
(熊本県大津町)
生産能力-・約27.5MW/年約27.5MW/年
累計設備投資額約70億円-約70億円
出所:九州電力 「経済の動向」(2008年5月号)
薄膜型太陽電池発電システムのイメージ
三菱重工業の薄膜型太陽電池発電システム
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太陽光発電関連産業の集積の芽

 これら4社の太陽電池メーカーを中心に、九州にはSUMCOのような大手半導体シリコンウェハーメーカーのほか、製造装置メーカー、および素材メーカーなど太陽光発電関連企業約20社が集積しており、次世代太陽電池の製造・開発拠点としての九州の役割が期待されます。
太陽光発電関連産業の集積状況
太陽光発電関連産業の集積状況
出所:日本政策投資銀行九州支店 「九州の太陽電池産業、この一年」(2008年4月)

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